骨粗しょう症とは?
骨はカルシウムやタンパク質を主成分としてつくられ、日々部分的な破壊(骨吸収)と再生(骨形成)を繰り返す新陳代謝をして丈夫な骨を維持しています。この新陳代謝のバランスが崩れ、骨密度が低下してしまうと骨はスカスカになり、骨折しやすくなります。
この状態を骨粗しょう症といいます。特に高齢者や女性に多く見られますが、男性や若年層にも発症することがあります。
〇若いころより身長が4cm以上低下した
〇背中が丸くなった、丸くなったといわれる
〇洗濯物を高いところに干せなくなった
〇胸やけや胃部の圧迫感がある
など、思い当たることがあれば、検査をお勧めします。
骨粗しょう症になる原因は?
主な原因として
加齢:年齢を重ねると、骨密度は自然に低下します。
ホルモンの変化:特に女性では、閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)が減少することが骨密度に影響します。
遺伝:家族に骨粗しょう症の方が多い場合、リスクが高くなります。
生活習慣:運動不足、喫煙、過度のアルコール摂取、カルシウムとビタミンDの不足がリスクを高めます。
病歴や薬物:特定の疾患(例えば、関節リウマチ・糖尿病)や長期間のステロイド使用や他の病気で長期間安静入院を行った場合なども骨粗しょう症の原因となることがあります。
骨粗しょう症になるとどうなるの?
骨粗しょう症になると骨折しやすくなります。また繰り返す骨折で痛みや入院安静による筋力低下などで生活能力が落ち、寝たきりになる可能性が高まります。
また、骨折で手術を行った場合でも、術後の生活レベルが受傷前に比べ落ちる患者様も多くいらっしゃいます。
寝たきりの主な原因は脳血管疾患・骨折・認知症です。
骨粗しょう症などにより骨の強度が低下して、軽い外力で起こる骨折を脆弱性骨折といいます。軽い外力とは転んで軽く手をついたり、尻もちをついたり、重い物を持ち上げたりといった場合です。
また、特に思い当たる外傷がなくても痛みがあり、レントゲンで骨折が明らかになるいわゆる「いつの間にか骨折」という場合もあります。
骨粗しょう症の検査
当クリニックの骨密度測定装置は、富士フィルムメディカル社のフラッグシップモデル『ALPHYS LF』を採用し、腰椎および大腿骨で精密な測定を行います。
数分で終了し測定結果をご説明いたします。
また、骨粗しょう症と診断された場合、採血を行い患者様ひとりひとりにあった治療薬を選択し、より効率よく骨強度の増強を目指します。
骨粗しょう症の予防と治療
骨粗しょう症の発症には、加齢や閉経以外にも食事、運動習慣などが深く関わってきます。そのため「骨の生活習慣病」とも呼ばれ、運動療法、食事療法も骨粗しょう症の予防には欠かせません。
骨粗しょう症と診断された際には薬や注射による治療が必要になります。
転倒しても骨折しない丈夫な骨にしていくことも重要ですが、その前にまず転倒しないからだ作りをしていくことも重要と考えます。
転倒は四肢、脊椎の骨折だけでなく、頭部に衝撃が加わった場合、命に係わることもあります。
当クリニックでは薬や注射による加療のほかに理学療法士による運動指導を行って、転倒しにくいからだを目指します。
運動療法
転倒しにくい身体にするためには筋力、身体柔軟性、バランス能力が重要になってきます。
骨には適切な負荷をかけ、継続的に少しずつ負荷量を上げていく必要があります。
当院では理学療法士が患者様ひとりひとりにあった適切な負荷量のメニューを提案し 筋力強化、柔軟性向上、バランス能力の向上を図り転倒リスクを軽減させることを目指します。
薬物療法
注射やお薬で骨粗しょう症の治療を行います。
現在、骨粗しょう症のお薬はたくさんの種類があります。当院では血液検査を行い、患者様ひとりひとりの全身状態に合わせご要望をお伺いしたうえで、適切な治療の提案をさせていただきます。
食事療法
カルシウム:骨の主成分であるカルシウムを十分に摂取することが重要です。食品からの摂取やサプリメントで補います。
ビタミンD:カルシウムの摂取を助けるため、ビタミンDの摂取も重要です。食品からの摂取や日光浴によって生産されます。
生活習慣の改善
禁煙:喫煙は骨密度の低下を助長するため、禁煙が推奨されます。
アルコール制限:過度のアルコール摂取も骨密度に悪影響を及ぼすため、適量に抑えることが大切です。
転倒防止:転倒のリスクを減らすための対策(滑りにくい靴の着用、家庭内の安全対策など)が必要です。
骨粗しょう症になりやすい生活チェック
下記のチェックが多いほど、骨粗しょう症になりやすい生活と言えます。
気になる方はお気軽に診療にいらしてください。
- 牛乳や乳製品、小魚や大豆製品をあまり食べない
- ダイエットや偏食により栄養が偏りやすい
- 加工食品、インスタント食品をよく食べる
- アルコール、タバコ、コーヒーが多い
- 運動不足